産業医学図書
産業保健サービスとその評価
武藤 孝司
A5判/240頁/本文1色刷
ISBN:978-4-915947-93-3
発 行:2026年1月7日
定 価:2,420円(消費税込)
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2026年1月7日 発売!
内 容:
これからの産業保健サービス構築に役立つヒント!
◆労働者の健康の維持・増進と安全の確保に資する産業保健サービス。その有効性をどのように判断すればよいのか。
◆産業保健サービスのプログラムの効果やシステムを、どのように評価するか。評価の基準や指標となるものには何があるのか。
◆筆者の40年にわたる研究と実務のなかで追究してきた課題から、これからの産業保健サービス構築の基礎となるヒントをつかむ。
近年、産業保健の領域で「根拠に基づく産業保健(Evidence-Based Occupational Health: EBOH)」という考え方が広まってきている。
EBOHの実践には、労働者の健康の維持・増進と安全の確保を目的に事業者が行う様々な活動を支援する「産業保健サービス」の評価が欠かせない。しかし、どのような基準で評価すればよいのか。
著者の40年にわたる研究と実務のなかで検討してきた課題から、評価につながるさまざまな指標を解説。これからの産業保健サービス構築の基礎となるヒントをつかめる一冊。
構 成:
はじめに
Ⅰ 職域健康づくりと評価
1 健康教育とヘルスプロモーション
[1] 産業保健との出合い
[2] 健康教育・ヘルスプロモーションとの出合い
⑴ エッソ石油での産業医活動
⑵ 健康教育との出合い
⑶ ヘルスプロモーションとの出合い
[3] 職域ヘルスプロモーション(WHP)の課題と対策
⑴ 日本のWHPの特徴
⑵ WHPの課題
⑶ WHPの課題への対策
[4] 保健行動理論
⑴ 保健行動理論の重要性
⑵ 主な保健行動理論
⑶ 実証研究
[5] ヘルスリテラシー
⑴ 測定尺度
⑵ HLの効果
⑶ HLの向上策
2 職域健康づくりの方法
[1] 各種の方法
⑴ 職域健康づくり活動のニューパラダイム
⑵ インターネットの利用
⑶ リスクコミュニケーション
⑷ 人間ドックにおける健康教育
[2] 教材
⑴ 授業書
⑵ 健康教育用ビデオ
[3] 健診結果の時系列表示
⑴ 健診結果報告書の時系列表示
⑵ 時系列健診結果のグラフ表示
⑶ 血圧のトラッキング現象
[4] オンライン保健指導
⑴ 課題と対策
⑵ 研究事例
3 産業保健サービスの評価
[1] 評価の重要性
⑴ 評価の必要性
⑵ 評価の歴史
[2] 評価方法
⑴ 評価の概要
⑵ 健康教育のステージ別の評価
⑶ 評価デザイン
⑷ 評価の指標
[3] 産業保健サービスの評価
⑴ わが国の産業保健サービスの特徴
⑵ わが国の職域ヘルスプロモーションの特徴
⑶ 欧州の産業保健サービスの特徴
⑷ 産業保健サービスのカバー率
[4] コクランのシステマティックレビュー
⑴ 保健医療従事者の職業性ストレスを 軽減するための個人レベルの介入
⑵ うつ病の労働者の職場復帰を改善するための介入
⑶ 仕事中の座位行動を減らすための介入
⑷ その他のコクラン・システマティックレビュー
4 産業保健サービスの経済的評価
[1] 経済的評価法の書籍出版
[2] 経済的評価の概要
⑴ 経済的評価が必要な理由
⑵ 経済的評価の特徴
[3] 経済的評価の方法
⑴ 費用効果分析
⑵ 費用効用分析
⑶ 費用便益分析
[4] 経済的評価の実証研究
⑴ 糖尿病予防プログラムの費用効果分析
⑵ 職域における健康教育プログラムの費用効果分析
⑶ 医療費と通院日数からみた職域歯科保健活動の効果
⑷ 口腔保健プロモーションプログラムの費用便益分析
⑸ 小規模事業場における産業保健サービスの費用便益分析
⑹ 健診結果と10年後の医療費との関係
⑺ 企業の労働安全衛生の費用
⑻ 労働災害・疾病に対する財政方法の評価
[5] 健康経営における経済的評価
⑴ 健康経営度調査
⑵ 健康投資管理会計ガイドライン
⑶ 健康投資管理会計:実践ハンドブック
Ⅱ 主要な産業保健サービス
1 肥満対策
[1] 各種の肥満状態と異常所見
⑴ 肥満継続年数
⑵ 体重増加速度
⑶ 軽度の肥満度
[2] 肥満の原因
⑴ 食事の食べ方
⑵ 短時間の睡眠
⑶ 7つの生活習慣
[3] ウエスト・身長比
[4] 肥満対策の評価
⑴ 労働者を対象とした研究
⑵ 地域住民を対象とした研究
[5] 肥満と労働災害
⑴ システマティックレビュー
⑵ 個別研究例
2 身体活動増進対策
[1] 身体活動の必要性
⑴ 身体活動の効果に関する先行研究
⑵ 身体活動を高めるための行政施策
[2] 運動習慣に関連する要因
⑴ 運動種目と運動実施理由の多様性
⑵ 労働要因との関連
⑶ 心理的要因との関連
⑷ 職域健康づくり活動との関連
[3] 身体活動の効果
⑴ 運動習慣と最大酸素摂取量との関連
⑵ 有酸素能力と2型糖尿病罹患との関連
⑶ 有酸素能力とがん死亡との関連
⑷ 有酸素能力と死亡との関連
⑸ 運動実施状況と体脂肪率との関連
⑹ 欠勤を指標とした評価
[4] 身体活動増進対策の負の側面
⑴ 先行研究の紹介
⑵ スポーツ傷害に関する調査
[5] 座位行動による健康障害と予防対策
⑴ 座位行動による健康障害
⑵ 座位行動による健康障害の予防対策
3 喫煙対策
[1] 喫煙に関連する要因
⑴ 身体活動との関連
⑵ 歯科健診受診との関連
[2] 喫煙の健康影響
⑴ 自律神経系への影響
⑵ 自覚症状と健診結果への影響
⑶ 動脈硬化のリスク要因
⑷ 糖尿病のリスク要因
⑸ 中咽頭がんのリスク要因
⑹ 傷病休業のリスク要因
[3] 禁煙指導
⑴ 禁煙指導のポイント
⑵ 産業保健職の喫煙状況と禁煙指導との関連
⑶ 禁煙プログラムの評価
[4] 受動喫煙の健康影響
4 メンタルヘルス対策
[1] メンタルヘルス対策のニーズ
[2] メンタルヘルス不調の原因
⑴ 業務負荷
⑵ 経済的環境
⑶ 私的な事情
⑷ 心理的要因
[3] メンタルヘルス不調の影響
⑴ 疾病休業
⑵ 復職後の再発
⑶ 再発のリスク要因
[4] メンタルヘルス対策
⑴ EAPの利用
⑵ 参加型研修
[5] オンライン面接
⑴ 法規制に関わる点
⑵ オンライン面接が適しない状況
⑶ オンライン面接の効果
Ⅲ 産業保健サービスの課題と展望
1 小規模事業場における産業保健サービス
[1] 小規模事業場の産業保健を取り巻く状況
⑴ 小規模事業場で働く労働者の健康状態
⑵ 産業保健サービス提供組織
⑶ 地域産業保健センター
⑷ 経営者と労働者との意識の違い
⑸ 財政的援助
[2] 小規模事業場への産業保健サービス
⑴ 健康増進プログラムの導入率
⑵ 健康教育プログラムの評価
⑶ 労働衛生機関による小規模事業場への産業保健サービス
[3] 外国の小規模事業場対策
⑴ 世界的基準との比較
⑵ 欧米8か国の検討
⑶ 欧州7か国の検討
⑷ フィンランド
⑸ オランダ
⑹ ベルギー
⑺ アメリカ
[4] 公的機関・団体からの提言
⑴ 厚生労働省
⑵ 労働福祉事業団(現・労働者健康安全機構)
⑶ 日本医師会
⑷ 日本産業衛生学会
2 各種労働者に対する産業保健サービス
[1] 高年齢労働者
⑴ WHO勧告との比較
⑵ 高年齢労働者に対する健康増進政策の効果
⑶ 高年齢労働者のライフスタイルと健康状態
[2] 女性労働者
⑴ 就業状況と健康問題
⑵ 更年期症状と努力報酬不均衡との関連
⑶ 妊娠中の労働者への対応
⑷ 出産後に復職した女性の離職要因
⑸ 乳がん患者
[3] 病院職員
⑴ 針刺し・切創事故減少を目的とした教育プログラム
⑵ 安全風土と針刺し傷害との関連
⑶ 女性看護師の口腔保健行動と齲歯との関連
[4] 介護職員
⑴ 腰痛の有病率とリスク要因
⑵ 筋骨格系疼痛の予防器具の効果
[5] 厨房労働者等
⑴ 健康障害のリスク要因
⑵ 厨房環境
[6] 建設労働者
⑴ 労働災害と職業病の減少に関連した要因
⑵ 危険予知活動の効果
[7] 職業運転手
⑴ 職業運転手の健康診断
⑵ タクシードライバーの冠動脈疾患
⑶ トラック運転手のNK活性
[8] 外国人労働者
[9] 有病労働者
⑴ エイズ(AIDS:後天性免疫不全症候群)
⑵ がん患者
⑶ アトピー性皮膚炎
[10] 非正規労働者
⑴ 非正規労働者の増加要因
⑵ 非正規労働者の健康状態
⑶ その他の状況
⑷ 対策
3 産業保健サービス担当者
[1] 産業医
⑴ 欧州における産業医の役割
⑵ 産業保健の卒後教育に関する日英比較
⑶ 職場復帰支援への関わり
⑷ 開業医や病院勤務医の産業医活動
⑸ 労働衛生機関に所属する産業医の活動
[2] 産業看護職
⑴ アメリカ産業看護学会
⑵ 産業看護職の役割
⑶ 産業看護職の自主的研修
[3] 多くの専門職の関わり
⑴ 健康づくりに関わる専門職
⑵ 産業保健サービスに関わる専門職の国際比較
⑶ 企業外産業保健サービス機関の専門職
⑷ 産業医、保健師、看護師の関係
⑸ 産業保健関係者のネットワーク
⑹ 産業保健スタッフと社会保険労務士との連携
[4] 開業保健師
⑴ 開業理由
⑵ 開業の支援
⑶ 中小企業への産業保健サービスの効果
4 新たな産業保健サービスに向かって
[1] 産業保健サービスの重要な課題
⑴メンタルヘルス対策
⑵ 高年齢労働者対策
⑶ 小規模事業場における産業保健サービス
[2] プレゼンティーイズム
⑴ プレゼンティーイズムの概念
⑵ 産業医とプレゼンティーイズム
[3] 企業の社会的責任(CSR)と産業保健サービス
[4] 超高齢社会の産業保健サービス
⑴ 超高齢社会の産業保健サービスの意義
⑵ 産業保健活動が健康寿命延伸に寄与する可能性
⑶ 超高齢社会における産業医の役割とCSR
[5] 新たな産業保健サービス体制
⑴ 産業保健のあり方に関する検討会
⑵ 労働衛生機関の役割
おわりに
著者略歴:
武藤 孝司(むとう たかし)
獨協医科大学名誉教授、栃木産業保健総合支援センター所長。
新潟大学医学部卒業。医師、医学博士。慶応義塾大学医学部講師、順天堂大学医学部助教授、獨協医科大学医学部教授を経て現職。専門は公衆衛生学、産業保健。
主な著書・執筆に、『CSRと安全衛生・産業保健』(バイオコミュニケーションズ)、『プレゼンティーイズム』(星和書店)、『保健医療プログラムの経済的評価法』(篠原出版新社)、『健康教育・ヘルスプロモーションの評価』(篠原出版)、『公衆衛生領域における連携と協働』(日本公衆衛生協会)、『中小企業の安全衛生を創る』(労働調査会)、『Asian Perspectives and Evidence on Health Promotion and Education』(Springer)、『Evidencebased Occupational Health』(Elsevier B.V.)などがある。
(2025年12月15日時点の情報です)