産業医学図書
リスクマネジメントとしてのメンタルヘルス対策
日本産業精神保健学会 編
2013年(平成25年)8月9日 発行
B5判/274頁/本文1色刷
定 価:2,750円(消費税込)
送 料: 350円
日々産業現場で生起するメンタル事案から労災の業務上外判断、民事裁判例ほか、豊富な事例や身近なテーマを「予防」「防止」の観点から詳細に解説!
内 容:
- 平成23年12月に策定された「心理的負荷による精神障害の認定基準」について、策定の背景から内容、現場スタッフが留意すべき点までを詳細に解説!
- 業務上外に係る事例を豊富に収録&解説!
- 国家公務員、地方公務員に係る労災認定基準についても解説!
- 認定基準中の「職場における心理的負荷評価表」のベースにもなった「ストレス評価に関する調査研究」をはじめ、これまでに学会が行った主な調査研究の貴重な結果とともに、そこから見出される産業現場で留意すべき事項を丁寧に解説!
- 近年増加するハラスメント関連事案における法的留意事項や、自殺事案の労災認定をめぐって、弁護士・法律専門家による詳細な解説も収録!
- 労働時間・仕事の量と質の管理、産業医としての対応のポイント、パワハラ、自殺予防、アルコール問題、睡眠教育、職場復帰支援、大規模災害とメンタルヘルスほか、近時の重要課題を分かりやすく解説!
構 成:
- 心理的負荷による精神障害の認定基準をめぐって 1
- 新認定基準のポイント(荒井 稔) 2
はじめに 2- 職場でのストレスの現状 2
- 精神障害等の労災認定基準の見直し−判断指針改定の動き 3
- 精神障害の労災認定の基準に関する専門検討委員会報告書の概要 4
- 検討会開催の背景等 4
- 検討状況 4
- 検討に当たっての基本的考え方 5
- 業務による心理的負荷の評価 7
- 業務以外の心理的負荷及び個体側要因の評価 11
- 発病の有無の判断及び発病時期の特定 12
- まとめ 12
- 新認定基準における実務者の留意点 14
- 対象疾病と発病の有無等の判断 14
- 業務による心理的負荷の強度の判断 14
- 業務以外の心理的負荷及び個体側要因の判断 23
- 非器質性精神障害の後遺障害の障害等級の判断と認定基準(黒木宣夫) 25
はじめに 25- 精神障害の労災認定(業務上外) 25
- 労災保険法による症状固定(治ゆ) 25
- 治療後の後遺障害の等級認定 26
- 非器質性精神障害の後遺障害の等級認定基準に関して 26
- 旧基準から現基準に至る経緯 26
- 障害の症状固定(治ゆ)の判断 27
- 非器質性精神障害の後遺障害の障害等級の認定方法 28
- 具体的な労災・後遺障害等級申請手続 29
─現場における問題解決のポイント
○(参考1)労災保険給付の概要 30
○(参考2)非器質性精神障害の後遺障害の状態に関する意見書(様式3) 32
おわりに 34 - 精神障害の労災認定(業務上外) 25
- 精神疾患等の認定基準における国公災方式と労災方式の相違点(田中邦夫) 35
- 上外判断を行う機関 35
- 上外判断の統一性 35
- 国公災の「認定指針」と労災の「認定基準」の位置付け 35
- 国公災の「認定指針」と労災の「認定基準」の内容の相違 36
- 国公災の「負荷の分析表」と労災の「心理的負荷評価表」の性格の違い 36
- 地公災精神疾患認定基準について(阿部健郎) 39
- 業務による強い負荷の出来事例等 39
- 時間外勤務の評価 39
○業務負荷の分析表 43 - 事例に見る認定基準に係る現場における留意点(黒木宣夫) 46
- 事故や災害の体験<3事例> 46
- 時間外労働の過重性と評価<3事例> 51
- パワハラ、ひどい暴力、嫌がらせの評価<7事例> 56
- セクシュアルハラスメント<2事例> 70
- 退職の強要<2事例> 73
- 出来事と精神疾患発症との相当因果関係に関して<2事例> 76
- 労災認定された自殺事例、及び精神障害事例に関する調査結果と現場での留意点(黒木宣夫) 84
はじめに 84- 労災認定事例(自殺事案等)の検討の概要 84
- 自殺・精神障害事案に関して 84
- 自殺事案 88
- 時間外労働と精神疾患発症との関連に関する調査 90
- 長時間残業と精神疾患発症との因果関係に関する研究(2003 年度) 90
- 精神障害に係るストレスと発症時期等に関する調査研究(2008 年度) 90
- 精神障害等による労働災害を踏まえた職場環境等の改善による
メンタルヘルス不調の予防を推進するための事業(2009 年度) 91
- 重大な転帰(自殺)に至る職場要因と周囲の支援 92
- 重大な転帰(自殺)に至る職場要因 92
- 周囲の気づきと支援 92
- 労災認定事例の重要事項 93
- 労災認定事例(自殺事案等)の検討の概要 84
- 精神疾患の概要(黒木宣夫) 95
- 神経症水準の障害と精神病水準の障害 95
- 気分(感情)障害(躁うつ病) 96
- F43 重度ストレス反応・適応障害 98
- F4 神経症性障害 99
- 統合失調症、統合失調症型障害及び妄想障害(統合失調症) 101
- F60 特定のパーソナリティ障害 Specific personality disorders 101
- 新認定基準のポイント(荒井 稔) 2
- メンタルヘルスをめぐる法的諸問題 103
- 精神障害の労災認定基準の策定の背景(山口浩一郎) 104
はじめに 104- 現行認定基準の内容 104
- ストレス−脆弱性理論 104
- 認定の要件 104
- 評価表の作成 105
- 特別な出来事 105
- 時間外労働 107
- 複数の出来事 107
- 専門医の関与 108
- 旧基準から現基準へ 108
- 「判断指針」(旧基準)の策定 108
- 旧基準以前の状況 108
- 専門検討会の報告 109
- 旧基準の内容 109
- 自殺の取扱い 109
- 現基準へ 110
- 認定基準の将来 110
- 現基準と旧基準 110
- 認定基準の将来 111
- 現行認定基準の内容 104
- 職場におけるハラスメントと法(三柴丈典) 115
- はじめに 115
- ハラスメントとは 115
- 本稿の取扱対象とその定義 116
- 既存の法規制との関係 117
- 刑事責任 118
- 民事責任 121
- その他 124
- 関連する判例 125
- 従前の代表的判例 125
- 最近の特徴的裁判例 132
- おわりに 137
- はじめに 115
- 自殺事案の労災認定をめぐって(安西 愈) 139
- 自殺は予防できるか−リスクマネジメントとの関係 139
- 自殺は結果からの原因推定−防止の決め手はないので「対策」実施がポイント 141
- 自殺の業務上認定をめぐって 144
- 自殺の業務上認定の基本的考え方 144
- 自殺の業務上認定基準 148
- 「ストレス−脆弱性理論」の問題−社会化された発病メカニズムの法制度化 151
- 「ストレス−脆弱性」理論の平均的労働者をめぐって 155
- 遺書等の取扱い 159
- 労災補償のオール・オア・ナッシング制と民事賠償の過失相殺 160
- 精神障害の労災認定基準の策定の背景(山口浩一郎) 104
- リスクマネジメントとしてのメンタルヘルス対策
−実務上のポイント 165- 労働時間・仕事の量と質の管理を行う上での留意点(安福愼一) 166
メンタルヘルスケアにおける産業医のポジショニング 166- 適正な労働時間管理 166
- 仕事の量と質の管理 170
- 産業医としての従業員、管理監督者への対応のポイント(岡田邦夫) 173
- メンタルヘルスケアにおける産業医のポジショニング 173
- メンタルヘルス不調を伴う従業員との面談 174
- 管理監督者への教育研修 175
- 職場におけるパワーハラスメント対策(佐藤博樹) 177
- 職場のパワーハラスメントの概念 177
- 急増するパワハラに関する相談 177
- パワハラの定義と「職場における多様な有意性」 177
- 「業務上の適正な範囲」とパワハラに関する合意形成 178
- 企業としてパワハラ対策に取り組む必要性 179
- パワハラ増加の背景 179
- 職場におけるパワーハラスメント対策のポイント 180
- トップの宣言と「必ず起こり得る」という認識の共有化 180
- アンケート調査の実施の際の留意点 180
- 相談窓口の設置 180
- 管理職研修のポイント 181
- 産業医・産業保健スタッフに期待される役割 181
- 職場のパワーハラスメントの概念 177
- 自殺予防対策−職域での留意点(渡辺洋一郎) 182
- 自殺の現状 182
- 年次別自殺者数の推移 182
- 自殺の原因・動機 182
- 自殺の原因・動機としての精神障害 185
- 職場における自殺予防 185
- 事例提示 185
- 「心理的負荷による精神障害等に係る業務上外の判断指針」 187
- 企業の安全配慮義務 187
- 職場における自殺予防のポイント 188
- 自殺の現状 182
- アルコール問題への対応−飲酒運転や自殺等事案も含めて(⻆田 透) 190
はじめに 190- 事例1 190
- 事例2 191
- アルコールとうつ 192
- 事例3 192
- 飲酒運転について 193
- 職域における睡眠対策のポイント(山本 愛、田中克俊) 195
- 睡眠対策の重要性 195
- 不眠のアセスメント 195
- 不眠に対する介入 195
- 睡眠衛生教育 196
- 不眠に対する認知行動療法 197
- 職域への応用 198
- 事例性からみたメンタルヘルス管理(大西 守、村上尚美) 201
- 職域でのメンタルヘルス活動の課題 201
- リスクマネジメントの視点から職域で「できないこと」 201
- 職域でのプライバシー保護とリスクマネジメント 202
- 「事例性」に基づくメンタルヘルス管理 203
- 復職判定とリスクマネジメント 204
- 仕事のためにメンタル不調になったと強く主張された場合の対応 204
- おわりに 206
- 職場復帰支援をめぐって 207
8−1 再休業、離職等をさせない職場復帰支援のコツ(廣 尚典) 207
はじめに 207- 「復職支援手引き」の要点 207
- 職場復帰のタイミング 207
- 就業上の配慮と復職後のフォローアップ 209
- 主治医との連携のあり方 209
- 試し出勤制度 210
- リワークプログラムについて 210
8−2 事例にみる職場復帰支援の実際 212- 事例1:回復から復職まで(吉村靖司) 212
- 事 例 212
- 職場復帰のポイント 212
- 職場復帰に際しての疑問 213
- 事例2:職場復帰からその後(吉村靖司) 216
- 事 例 216
- うまくいかなかったケースはどうすればよかったのか 218
- これからどうすればよいのか 219
- 職場復帰後のフォローのコツ 219
- 事例3:リハビリ出勤を繰り返した統合失調症例−地方自治体の事例
(隅谷理子、大西 守) 221- はじめに 221
- 事 例 221
- 主治医と産業保健スタッフ、管理監督者(ライン)の連携の必要性 223
8−3 リワークプログラムの実際と有用性(五十嵐良雄) 225- 復職判断の困難な現実とその打開 225
- リワークプログラムの治療構造と実際 225
- プログラム開始までの段階 225
- プログラム初期のリワーク・スクールの段階 227
- プログラム中期のリワーク・カレッジ® の段階 228
- リワークプログラムの終了後のフォロー体制 229
- リワークプログラムの再休職予防に関する効果 229
- リワークプログラムの治療的な要素と標準化(結論にかえて) 229
8−4 病態の多様化と障害者職業総合センターの役割(加賀信寛) 232- 障害者職業総合センターの概要 232
- 地域職業センターにおける「リワーク支援」の現状(病態の多様化に伴う課題)232
- 企業担当者とのコーディネート 232
- 主治医とのコーディネート 233
- 復職準備性の向上を図るための職業リハビリテーションサービス 233
- 障害者職業総合センターの役割(取組みの概要) 234
- ビジネス基礎力再構築支援等の試行 234
- 医療連携型復職支援の試行 235
- 今後の予定 236
- 大規模災害とメンタルヘルス 237
9−1 事故・災害時等のストレス対策の留意点
−原発事故のメンタルヘルス対策を中心に−(丸山総一郎) 237
はじめに 237- 自然災害と人為災害のストレス影響−福島第一原発事故の位置づけ 237
- 原発事故のストレス影響 238
- 放射線被曝の特徴 238
- 欧米の放射線被曝事故とメンタルヘルス 238
- 日本の放射線被曝事故とメンタルヘルス 240
- 原発事故におけるストレス対策の留意点 241
- リスクコミュニケーションからの理解 241
- リスク評価とストレス対策 242
9−2 全衛連による緊急健康診断事業より(吉村靖司) 246
はじめに 246- 被災労働者に対する緊急健康診断事業 246
- 事業の概要 246
- 対 象 246
- 実施期間 246
- 場 所 246
- 健康診断の内容 247
- ストレスチェックについて 247
- 結果の報告 247
- ストレスチェックの内容 247
- 結 果 249
- 受診者数 249
- 健康診断結果 249
- ストレスチェック結果 250
- 項目別有所見率と高ストレス・抑うつとの関係 250
- 考 察 251
- ストレスチェックの結果 251
- 災害と高血圧との関係 252
- 労働時間・仕事の量と質の管理を行う上での留意点(安福愼一) 166
資料1 別表1 業務による心理的負荷評価表 253
資料2 別表2 業務以外の心理的負荷評価表 260
資料2 別表2 業務以外の心理的負荷評価表 260