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産業医に関する法令・通達

[法令及び施行通達]

労働安全衛生法(昭和47年法律第57号)(抄)

 

(産業医等)
第13条 事業者は、政令で定める規模の事業場ごとに、厚生労働省令で定めるところにより、医師のうちから産業医を選任し、その者に労働者の健康管理その他の厚生労働省令で定める事項(以下「労働者の健康管理等」という。)を行わせなければならない。

2 産業医は、労働者の健康管理等を行うのに必要な医学に関する知識について厚生労働省令で定める要件を備えた者でなければならない。
3 産業医は、労働者の健康を確保するため必要があると認めるときは、事業者に対し、労働者の健康管理等について必要な勧告をすることができる。
4 事業者は、前項の勧告を受けたときは、これを尊重しなければならない。
(平8法89・平11法160・一部改正)

第13条の2 事業者は、前条第一項の事業場以外の事業場については、労働者の健康管理等を行うのに必要な医学に関する知識を有する医師その他厚生労働省令で定める者に労働者の健康管理等の全部又は一部を行わせるように努めなければならない。
(平8法89・追加、平11法160・一部改正)

(衛生委員会)
第18条 事業者は、政令で定める規模の事業場ごとに、次の事項を調査審議させ、事業者に対し意見を述べさせるため、衛生委員会を設けなければならない。

一 労働者の健康障害を防止するための基本となるべき対策に関すること。
二 労働者の健康の保持増進を図るための基本となるべき対策に関すること。
三 労働災害の原因及び再発防止対策で、衛生に係るものに関すること。
四 前3号に掲げるもののほか、労働者の健康障害の防止及び健康の保持増進に関する重要事項

2 衛生委員会の委員は、次の者をもつて構成する。ただし、第1号の者である委員は、一人とする。

一 総括安全衛生管理者又は総括安全衛生管理者以外の者で当該事業場においてその事業の実施を統括管理するもの若しくはこれに準ずる者のうちから事業者が指名した者
二 衛生管理者のうちから事業者が指名した者
三 産業医のうちから事業者が指名した者
四 当該事業場の労働者で、衛生に関し経験を有するもののうちから事業者が指名した者

3 事業者は、当該事業場の労働者で、作業環境測定を実施している作業環境測定士であるものを衛生委員会の委員として指名することができる。

4 前条第3項から第5項までの規定は、衛生委員会について準用する。この場合において、同条第3項及び第4項中「第1号の委員」とあるのは、「

18条第2項第1号の者である委員」と読み替えるものとする。
(昭50法28・昭63法37・一部改正)

[参照条文]
(安全委員会)
第17条 (第1項 略)

2 安全委員会の委員は、次の者をもつて構成する。ただし、第1号の者である委員(以下「第1号の委員」という。)は、1人とする。

一 総括安全衛生管理者又は総括安全衛生管理者以外の者で当該事業場においてその事業の実施を統括管理するもの若しくはこれに準ずる者のうちから事業者が指名した者
二 安全管理者のうちから事業者が指名した者
三 当該事業場の労働者で、安全に関し経験を有するもののうちから事業者が指名した者

3 安全委員会の議長は、第1号の委員がなるものとする。

4 事業者は、第1号の委員以外の委員の半数については、当該事業場に労働者の過半数で組織 する労働組合があるときにおいてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない ときにおいては労働者の過半数を代表する者の推薦に基づき指名しなければならない。

5 前2項の規定は、当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合との間における労働協約 に別段の定めがあるときは、その限度において適用しない。

 

[通達]

昭和47年9月18日付け基発第602号「労働安全衛生法および同法施行令の施行について」(抜粋)

I 法律関係
6 産業医(第13条)
本条は、従来の「医師である衛生管理者」について、専門医学的立場で労働衛生を遂行する者であることを明確にするためその呼称を産業医に改め、専門家として労働者の健康管理にあたることとしたものであること。

 

平成8年6月19日付け労働省発基第63号「労働安全衛生法の一部を改正する法律の施行について」(抜粋)

第1 改正の経緯及び趣旨
最近における労働者の健康をめぐる状況をみると、高齢化の進展等により。脳・心臓疾患等につながる所見を有する労働者が増加しており、一般健康診断(定期)の結果では、これらの者を含め、労働者の3人に1人が何らかの所見があり、特に中小規模の事業場において有所見者の割合が高い状況にある。
また、産業構造の変化や技術革新の進展等により、労働態様に変化が生じており、これら伴い、仕事や職場生活で悩みやストレス等を感じる労働者が増加しているほか、「過労死」が社会的に大きな問題となっており、その予防のための総合的な対策を講ずることが必要となっている。
このような状況にかんがみ、労働省としては、本年1月の中央労働基準審議会からの建議「労働者の健康確保対策の充実強化について」を踏まえ、すべての労働者が職業生活の全期間を通じて健康で安心して働くことができるよう、労働者の健康の確保のための施策の充実を図ることとし、労働安全衛生法の一部を改正する法律案を取りまとめて国会に提出し、その審議を経て、今回の改正が行われたものである。

第2 改正の内容
1 労働衛生管理体制の充実
(1) 産業医の専門性の確保等

イ 上記第1のような労働者の健康をめぐる状況に的確に対応した労働者の健康管理を行うためには、事業場の産業保健活動の中心的な役割を担う産業医が、労働者の健康管理等を行うのに必要な専門的な知識を身に付けて、当該専門的知識を活用してその職務を的確に行う必要がある。
このため、産業医は、医師の中から選任することに加え、労働者の健康管理等を行うのに必要な医学に関する知識について一定の要件を備えた者でなければならないものとしたものである。

ロ 事業場において労働者の健康管理等が適切に行われるためには、その専門家である産業医が事業者に対しその専門的知識に基づく意見を的確に述べることができるようにすることが必要である。
このため、産業医は、労働者の健康を確保するため必要があると認めるときは、事業者に対し、労働者の健康管理等について必要な勧告をすることができるものとしたものである。

ハ また、事業者が産業医の意見に基づき必要な措置を講ずることが重要であることから、事業者は、ロの勧告を受けたときは、これを尊重しなければならないものとしたものである。

(2) 産業医の選任義務のない事業場の労働者の健康管理等(第13条の2関係)

すべての事業場において、労働者の健康の確保が図られるためには、その事業場の状況に応じた必要な産業保健サービスが提供されることが重要であり、そのためには、事業者が、産業医の選任義務のない事業場においても産業保健サービスが提供されるよう努める必要がある。
このため、事業者は、産業医の選任義務のない事業場について、労働者の健康管理等を行うのに必要な医学に関する知識を有する医師等に労働者の健康管理等の全部又は一部を行わせるように努めなければならないものとしたものである。

(3) 国の援助(第19条の3関係)
(2)の事業場の労働者の健康管理等に対する取組を促進することにより、労働者の健康の確保を図る必要がある。
このため、国は、(2)の事業場の労働者の健康の確保に資するため、労働者の健康管理等に関する相談、情報の提供その他の必要な援助を行うように努めるものとしたものである。

2 職場における労働者の健康管理の充実(略)

3 その他(略)

4 施行期日等(略)

 

平成8年9月13日付け基発第566号「労働安全衛生法の一部を改正する法律、労働安全衛生法施行令及び労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律施行令の一部を改正する政令及び労働安全衛生規則等の一部を改正する省令の施行について」(抜粋)

I 労働安全衛生法関係
1 産業医の専門性の確保等(第13条関係)

(1) 第2項は、産業医が職務を的確に遂行するため備えるべき労働者の健康管理等を行うのに必要な医学に関する知識に係る要件を設けたものであること。
また、事業者は、平成10年10月1日までに、既に選任している産業医又は新たに選任しようとする産業医について、労働者の健康管理等を行うのに必要な医学に関する知識について労働省令定める要件を備えた医師であるかどうかの確認を行う必要があること。

(2) 第3項の「勧告」は、具体的には、労働安全衛生規則第14条第1項の産業医の職務に係る事項について行われるものであること。また、勧告は、当該事業場の実情を十分に考慮して行われる必要があること。

2 産業医の選任義務のない事業場の労働者の健康管理等(第13条の2関係)

(1) 本条は、すべての事業場において労働者の健康の確保が図られるためには、産業医の選任義務のない事業場においても産業保健サービスが提供される必要があることから、事業者は、これらの事業場については、当該事業場の状況に応じ、必要な場合に、労働者の健康管理等を行うのに必要な医学に関する知識を有する医師その他労働省令で定める者に、労働者の健康管理等の全部又は一部を行わせるよう努めなければならないものとしたものであること。

(2) 「労働者の健康管理等を行うのに必要な医学に関する知識を有する医師」には、第13条第2項の労働者の健康管理等を行うのに必要な医学に関する知識について労働省令で定める要件を備える者のほか、産業医学振興財団が都道府県医師会に委託して実施している産業医基本研修の修了者、産業医として選任された経験を有する者等が含まれるものであること。

3 国の援助
本条に基づく国の具体的な援助としては、地域産業保健センター事業による労働者の健康管理等に関する相談、情報の提供等があること。

4~7 (略)

 

労働安全衛生法施行令(昭和47年政令第318号)(抄)

(産業医を選任すべき事業場)

第5条 法第13条第1項の政令で定める規模の事業場は、常時50人以上の労働者を 使用する事業場とする。
(平8政271・一部改正)

 

[通達]

平成8年9月13日付け基発第566号「労働安全衛生法の一部を改正する法律、労働安全衛生法施行令及び労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律施行令の一部を改正する政令及び労働安全衛生規則等の一部を改正する省令の施行について」(抜粋)

II 労働安全衛生法施行令関係
改正法の施行に伴い、第5条の規定について所要の整備を行うこととしたものである。

 

労働安全衛生規則(昭和47年労働省令第32号)(抄)

第4節 産業医等
(産業医の選任)

第13条 法第13条第1項の規定による産業医の選任は、次に定めるところにより行なわなければならない。

一 産業医を選任すべき事由が発生した日から十四日以内に選任すること。

二 常時1000人以上の労働者を使用する事業場又は次に掲げる業務に常時500人以上の労働者を従事させる事業場にあつては、その事業場に専属の者を選任すること。

イ 多量の高熱物体を取り扱う業務及び著しく暑熱な場所における業務
ロ 多量の低温物体を取り扱う業務及び著しく寒冷な場所における業務
ハ ラジウム放射線、エツクス線その他の有害放射線にさらされる業務
ニ 土石、獣毛等のじんあい又は粉末を著しく飛散する場所における業務
ホ 異常気圧下における業務
ヘ さく岩機、鋲打機等の使用によつて、身体に著しい振動を与える業務
ト 重量物の取扱い等重激な業務
チ ボイラー製造等強烈な騒音を発する場所における業務
リ 坑内における業務
ヌ 深夜業を含む業務
ル 水銀、砒素、黄りん、弗化水素酸、塩酸、硝酸、硫酸、青酸、か性アルカリ、石炭酸その他これらに準ずる有害物を取り扱う業務
ヲ 鉛、水銀、クロム、砒素、黄りん、弗化水素、塩素、塩酸、硝酸、亜硫酸、硫酸、一酸化炭素、二硫化炭素、青酸、ベンゼン、アニリンその他これらに準ずる有害物のガス、蒸気又は粉じんを発散する場所における業務
ワ 病原体によつて汚染のおそれが著しい業務
カ その他厚生労働大臣が定める業務

三 常時3000人をこえる労働者を使用する事業場にあつては、2人以上の産業医を選任すること。

2 第2条第2項の規定は、産業医について準用する。ただし、学校保健法(昭和33年法律第56号)第16条の規定により任命し、又は委嘱された学校医で、当該学校において産業医の職務を行うこととされたものについては、この限りでない。

(平8労令35・平9労令34・平12労令41・一部改正)

[参照条文]
(総括安全衛生管理者の選任)
第2条 (第1項 略)

2 事業者は、総括安全衛生管理者を選任したときは、遅滞なく、様式第3号による報告書を、当該事業場の所在地を管轄する労働基準監督署長(以下「所轄労働基準監督署長」という。)に提出しなければならない。

3 第8条の規定は、産業医について準用する。この場合において、同条中「前条第1項」とあるのは、「第13条第1項」と読み替えるものとする。

[参照条文]
(衛生管理者の選任の特例)
第8条 事業者は、前条第1項の規定により衛生管理者を選任することができないやむを得ない事由がある場合で、所轄都道府県労働局長の許可を受けたときは、同項の規定によらないことができる。

 

(産業医及び産業歯科医の職務等)

第14条 法第13条第1項の厚生労働省令で定める事項は、次の事項で医学に関する専門的知識を必要とするものとする。

一 健康診断及び面接指導等(法第66条の8第1項に規定する面接指導(以下「面接指導」という。)及び法第66条の9に規定する必要な措置をいう。) の実施並びにこれらの結果に基づく労働者の健康を保持するための措置に関すること。
二 作業環境の維持管理に関すること。
三 作業の管理に関すること。
四 前3号に掲げるもののほか、労働者の健康管理に関すること。
五 健康教育、健康相談その他労働者の健康の保持増進を図るための措置に関すること。
六 衛生教育に関すること。
七 労働者の健康障害の原因の調査及び再発防止のための措置に関すること。

2 法第13条第2項の厚生労働省令で定める要件を備えた者は、次のとおりとする。

一 法第13条第1項に規定する労働者の健康管理等(以下「労働者の健康管理等」という。)を行うのに必要な医学に関する知識についての研修であつて厚生労働大臣が定めるものを修了した者
二 医学の正規の課程であつて産業医の養成等を行うことを目的とするものを設置している産業医科大学その他の大学であつて厚生労働大臣が指定するものにおいて当該課程を修めて卒業した者であつて、厚生労働大臣が定める実習を履修したもの
三 労働衛生コンサルタント試験に合格した者で、その試験の区分が保健衛生であるもの
四 学校教育法による大学において労働衛生に関する科目を担当する教授、助教授又は講師(常時勤務する者に限る。)の職にあり、又はあつた者
五 前各号に掲げる者のほか、厚生労働大臣が定める者

3 産業医は、第1項各号に掲げる事項について、総括安全衛生管理者に対して勧告し、又は衛生管理者に対して指導し、若しくは助言することができる。

4 事業者は、産業医が法第13条第3項の規定による勧告をしたこと又は前項の規定による勧告、指導若しくは助言をしたことを理由として、産業医に対し、解任その他 不利益な取扱いをしないようにしなければならない。

5 事業者は、令第22条第3項の業務に常時50人以上の労働者を従事させる事業場 については、第1項各号に掲げる事項のうち当該労働者の歯又はその支持組織に関する事項について、適時、歯科医師の意見を聴くようにしなければならない。

6 前項の事業場の労働者に対して法第66条第3項の健康診断を行なつた歯科医師は、当該事業場の事業者又は総括安全衛生管理者に対し、当該労働者の健康障害(歯又はその支持組織に関するものに限る。)を防止するため必要な事項を勧告することができる。
(昭63労令24・平8労令35・平12労令41・平17厚労令47・平18厚労令1・一部改正)

 

(産業医の定期巡視及び権限の付与)

第15条 産業医は、少なくとも毎月1回作業場等を巡視し、作業方法又は衛生状態に有害のおそれがあるときは、直ちに、労働者の健康障害を防止するため必要な措置を講じなければならない。

2 事業者は、産業医に対し、前条第1項に規定する事項をなし得る権限を与えなければならない。

 

(産業医を選任すべき事業場以外の事業場の労働者の健康管理等)

第15条の2 法第13条の2の厚生労働省令で定める者は、国が法第19条の3に規 定する援助として行う労働者の健康管理等に係る業務についての相談、情報の提供その他の必要な援助の事業(次項において「地域産業保健センター事業」という。)の実施に当たり、備えている労働者の健康管理等に必要な知識を有する者の名簿に記載されている保健師とする。

2 事業者は、法第13条第1項の事業場以外の事業場について、法第13条の2に規定する者に労働者の健康管理等の全部又は一部を行わせるに当たつては、労働者の健康管理等を行う同条に規定する医師の選任、地域産業保健センター事業の利用等に努めるものとする。
(平8労令35・追加、平12労令41・平14厚労令14・平19厚労令47・一部改正)

附 則 (平8・9・13 労働省令第35号)
(施行期日)

第1条 この省令は、平成8年10月1日から施行する。
(労働安全衛生法第13条第2項の厚生労働省令で定める要件を備えた者に関する経過措置)
第2条 次の各号に掲げる者は、第1条による改正後の労働安全衛生規則(以下「新規則」という。)第14条第2項の規定にかかわらず、労働安全衛生法第13条第2項の厚生労働省令で定める要件を備えた者とする。

一 この省令の施行の日(以下「施行日」という。)前に新規則第14条第2項第1号に規定する研修に相当する研修として厚生労働大臣が定めるものの受講を開始し、当該研修を修了した者
二 平成10年9月30日において労働安全衛生法第13条第1項の産業医として同項に規定する労働者の健康管理等を行った経験年数が3年以上である者

 

[通達]

平成8年9月13日付け基発第566号「労働安全衛生法の一部を改正する法律、労働安全衛生法施行令及び労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律施行令の一部を改正する政令及び労働安全衛生規則等の一部を改正する省令の施行について」(抜粋)

III 労働安全衛生規則関係

第1 改正の要点

1 産業医が備えるべき要件を備えた者を規定するとともに、事業者は、産業医が労働安全衛生法(以下「法」という。)第13条第3項の規定による勧告等をしたことを理由として、産業医に対し、解任その他不利益な取扱いをしないようにしなければならないこととしたこと。(第14条関係)

2 事業者が、産業医を選任すべき事業場以外の事業場について、労働者の健康管理等の一部を行わせる者として、労働者の健康管理等を行うのに必要な医学に関する知識を有する医師以外の者を定めるとともに、事業者は、法第13条の2に規定する労働者の健康管理等を行わせるに当たっては、労働者の健康管理等を行う医師の選任、地域産業保健センター事業の利用等に努めるものとすることとしたこと。(第15条の2関係)

3~5 (略)

第2 細部事項

1 産業医及び産業歯科医の職務(第14条関係)

(1) 第2項は、産業医として備えるべき要件を備えた者を規定したものであること。
なお、事業者が、その確認を行う方法としては、研修の修了を照明する書面、労働安全衛生コンサルタント試験(保健衛生)合格証又は大学の在籍証明書(担当科目等を明示したもの)等の写しを提出させること等によって行うこととすること。

(2) 第2項第3号の「労働衛生に関する科目」とは、具体的には、労働安全コンサルタント及び労働衛生コンサルタント規則第12条第1項に規定する科目等をいうものであること。

2 産業医を選任すべき事業場以外の事業場の労働者の健康管理等(第15条の2関係)

(1) 第1項については、事業者は、労働者の健康管理等を行うのに必要な医学に関する知識を有する医師に労働者の健康管理等の全部又は一部を行わせるように努めることが原則であるが、健康管理等の一部である保健指導に係る事項については、労働者の健康管理等を行うのに必要な知識を有する保健婦又は保健士を活用することも当該事業者の努力として評価できることから、事業者が労働者の健康管理等を行うのに必要な知識を有する保健婦又は保健士に労働者の健康管理等の一部を行わせる場合も法第13条の2の努力義務を果たすものとするものである。この際、地域産業保健センター事業の名簿に記載されている労働者の健康管理等を行うのに必要な知識を有する保健婦又は保健士を活用する趣旨であること。
なお、保健婦又は保健士が、保健婦助産婦看護婦法に基づき、事業場において保健指導に従事することを妨げるものではないこと。

(2) 第2項は、事業者が法第13条第1項の事業場以外の事業場について、労働者の健康管理等の全部又は一部を行わせるに当たっては、労働者の健康管理等を行うのに必要な医学に関する知識を有する医師を選任すること、地域産業保健センター事業を利用すること等があることから、これらの方法のうち適宜右方により、労働者の健康管理等を行うように努めるものとしたこと。

3、4 (略)

5 附則第2条関係

(1) 第2号は、産業医として職務を行うことに伴い、産業医学に関する一定の知識を得ていることから、産業医として健康管理等を行った経験年数が通算で3年以上である者について、法第13条第2項の労働省令で定める要件を備えた者とすることとしたこと。
なお、この場合であっても、産業医は、労働者の健康管理等を行うのに必要な医学に関する知識についての研修であって、労働大臣が定めるものを修了すること等第14条第2項に定める要件を備えるよう努める必要があること。
また、本号は、経過措置として施行日以前に従事していた業種での産業医としての活動を継続して認めるという趣旨であることから、施行日以降に施行日以前にに経験を有したことのある事業場と労働衛生の態様が大きく異なる事業場の産業医となる場合は、特に第14条第2項に定める要件を備えるよう努める必要があること。

(2) 事業者が、第2号により産業医としての要件を備えた者であることを確認する方法としては、産業医として選任されていた事業場による証明書等による確認があること。

IV~X (略)

XI その他
今回の労働安全衛生法の改正及びこれに伴う労働安全衛生規則等の改正は、労働者の健康確保対策の充実を図るために行われたものであるが、このほかにも高齢化に伴う労働者の健康確保対策の重要な課題として、歯周疾患の予防対策がある。歯周疾患の予防対策としては、事業場を通じて、労働者がこれに取り組むことが効果的であることから、適時、歯周疾患に関する健康診断の機会が事業場において提供されることが望ましい旨の啓発指導に努めること。

 

平成18年2月24日付け基発第0224003号「労働安全衛生法等の一部を改正する法律(労働安全衛生法関係)等の施行について」(抜粋)

I~III (略)

IV 労働安全衛生規則関係

第1 改正の要点

1 安全衛生管理体制等

(1)、(2) (略)

(3) 産業医の職務として、面接指導等の実施及びその結果に基づく労働者の健康を保持するための措置に関することを追加したこと。(第14条)

(4)~(7)  (略)

2~10  (略)

第2 細部事項

1、2 (略)

3 産業医の職務
従来の労働者の健康障害の防止と健康保持を図るための産業医としての専門的な立場から職務内容に、医師による面接指導等に関する事項を追加したものであること。

4~24 (略)

V~VIII  (略)

 

労働安全衛生規則第14条第2項第1号等の規定に基づく厚生労働大臣が定める告示
(平成8年9月13日労働省告示第80号)
(最終改正:平成12年12月25日労働省告示第120号)

労働安全衛生規則(昭和47年労働省令第32号)第14条第2項第1号及び労働安全衛生規則等の一部を改正する省令(平成8年労働省令第35号)附則第2条第1号の規定に基づき、厚生労働大臣が定める研修を次のように定め、平成8年10月1日から適用する。

1 労働安全衛生規則第14条第2項第1号の厚生労働大臣が定める研修は、次の各号に定めるところにより行われる研修とする。

一 次に定める学科研修及び実習により行われるものであること。

イ 学科研修は、次の(1)から(6)までに掲げる科目について、40時間以上行われるものであること。

(1) 労働衛生一般
(2) 健康管理
(3) メンタルヘルス
(4) 作業環境管理
(5) 作業管理
(6) 健康の保持増進対策

ロ 実習は、イの(1)から(6)までに掲げる科目について、10時間以上行われるものであること。

二 前号の学科研修及び実習を適切に行うために必要な能力を有する講師により行われるものであること。

三 一又は二以上の都道府県の区域を単位とし、当該区域内の医師を会員として民法(明治29年法律第89号)第34条の規定により設立された法人である医師会又は産業医科大学が行うものであること。

四 前3号に定めるもののほか、研修の実施について必要な事項は、厚生労働省労働基準局長の定めるところによるものであること。

2 労働安全衛生規則等の一部を改正する省令附則第2条第1号の厚生労働大臣が定め る研修は、前項に定める研修に相当する研修であって、平成8年10月1日前に開始されたものとする。

 

[通達]

平成8年9月13日付け基発第567号「労働安全衛生規則第14条第2項第1号の規定に基づき労働大臣が定める研修を定める告示の適用について」

I 第1項関係

1 第1項の規定に該当する研修として、次の研修があること。

(1) 日本医師会の産業医学基礎研修(日本医師会及び都道府県医師会が実施)
(2) 産業医科大学の産業医学基本講座

2 第1号関係

(1) 学科研修については、基礎的な内容のみならず、段階を追って実務的、専門的な内容を実施するものであること。
(2) 受講者は、イに掲げる各科目について、受講者の専門分野、経験等を勘案し、バランスよく受講すべきものであること。

3 第2号関係
研修の講師としては、労働者の健康管理等を行うのに必要な医学に関する十分な知識を有する者、産業医としての十分な活動の経験を有する者等があること。

4 第3号関係
本研修は、産業医としての職務を的確に行うために必要な知識を付与するものであることから、労働者の健康管理等を行うのに必要な医学に関する専門性を有する等研修の実施者として的確であり、かつ、従来より産業医又は産業医になろうとする者に対し、産業医学基礎研修を実施している日本医師会及び都道府県医師会並びに産業医学基本講座を実施している産業医科大学を実施者として規定するものであること。

5 第4号関係
研修の実施に必要な事項としては、次の事項があること。

(1) 日本医師会又は都道府県医師会が実施する研修については日本医師会の認定証、産業医科大学が実施する研修については修了証を、それぞれの研修を修了した者に対し発行すること。
(2) 研修実施者は、毎事業年度経過後3ケ月以内に、研修の実施科目、実施回数及び研修修了者数について報告すること。
(3) 研修実施者は、研修修了者の氏名、生年月日、受講科目及び修了年月日を記載した帳簿を備え、保存しておくこと。
(4) 当該研修受講者の多くが本務を医師として診療に従事していることを考慮し、受講機会を確保するため、日本医師会又は都道府県医師会が実施する研修を受講する場合、研修の一部分について、別の日本医師会又は都道府県医師会が実施する研修の相当する部分を受講することを認めることとすること。

II 第2項関係
経過措置として、平成8年10月1日以前に開始された日本医師会の産業医学基礎研修又は産業医科大学の産業医学基本講座を修了した者は、法第13条第2項の労働省令に定める要件を備えた者であること。

III その他
今回の労働安全衛生法第13条の改正は、産業医が職務を的確に遂行するためには、労働者の健康管理等を行うのに必要な医学に関する知識を取得することを要件としたものであるが、労働者の健康管理等を行うのに必要な医学に関する知識の取得については、継続的な資質の向上を図ることが重要である。このため、産業医に本告示を定める研修にとどまらず、実務向上のための研修(例えば、日本医師会又は都道府県医師会が実施している生涯研修、産業医科大学が実施している産業医実務研修等)を受講する等その資質の継続的な向上に努める必要があること。

 

労働安全衛生規則第14条第2項第2号の規定に基づき、厚生労働大臣が定める実習
(平成17年3月28日厚生労働省告示第116号)

労働安全衛生規則(昭和47年労働省令第32号)第14条第2項第2号の規定に基づき、厚生労働大臣が定める実習を次のように定め、公布の日から適用する。

労働安全衛生規則第14条第2項第2号の厚生労働大臣が定める実習は、次の各号に掲げる科目について10時間以上行われる実習とする。

一 労働衛生一般
二 健康管理
三 メンタルヘルス
四 作業環境管理
五 作業管理
六 健康の保持増進対策

 

[その他の通達]

平成9年3月31日付け基発第214号「専属産業医が他の事業場の非専属の産業医を兼務することについて」

産業医の選任義務のある事業場における産業保健活動を推進するに当たっては、産業医を中心とした活動が必要不可欠であるが、特に、構内下請事業場等においては、労働態様の類似性等を勘案すると、元請事業場の指導援助の下に産業保健活動を行うことが効率的又は効果的な場合もある。
具体的には、元請事業場等に選任されている専属の産業医(以下「専属産業医」という。)が、当該元請事業場の下請事業場等のうち、産業医の選任を要する事業場(専属産業医の選任を要する事業場を除く。以下「非専属事業場」という。)の産業医を兼務し、当該専属産業医を中心に産業保健活動を行うことにより、非専属事業場の産業保健活動の活性化を期待できる場合もある。
このようなことから、今般、元請事業場等の専属産業医がその職務の遂行に支障を生 じない範囲内において、非専属事業場の産業医を兼ねても差し支えない場合の要件を下 記のとおり定めたので、関係者への周知を図るとともに、その運用に遺漏のないように されたい。

専属産業医が非専属事業場の産業医を兼務することができる場合は、以下のすべての要件に該当するものとする。
1 専属産業医の所属する事業場と非専属事業場とが、[1]地理的関係が密接であること、[2]労働衛生に関する協議組織が設置されている等労働衛生管理が相互に密接し関連して行われていること、[3]労働の態様が類似していること等、一体として産業保健活動を行うことが効率的であること。

2 専属産業医が兼務する事業場の数、対象労働者数については、専属産業医としての趣旨を踏まえ、その職務の遂行に支障を生じない範囲内とすること。

3 対象労働者の総数については、労働安全衛生規則第13条第1項第3号の規定に準じ、3千人を超えてはならないこと。