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印刷会社で集団発生した胆管癌の解明と対策

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発行年:
2014
誌紙名:
産業医学レビュー
巻/号/ページ:26/4/201
所属団体:
大阪市立大学大学院医学研究科産業医学分野
著作者名:
圓藤吟史他
項目:
要約:
大阪のオフセット校正印刷会社の校正印刷部門に働いていた従業員から、2012年末までに17例の胆管癌罹患と、そのうちの7例の胆管癌による死亡が確認された。大阪校正部門所属歴がある男性の標準化罹患比は1,242、標準化死亡比は644とそれぞれ大きな値を示した。
17例の主腫瘍は、10例が肝内胆管癌、5例が肝外胆管癌、2例が肝内胆管癌と肝外胆管癌の併存であった。原発部位の特定が困難であった2例を除く15例の原発部位は総胆管から肝内第3次分岐部までの比較的太い胆管であり、その部位に早期がん病変を広範囲に合併している例が多く認められた。病理標本から胆管上皮細胞にグルタチオンS一転移酵素θ-1(GSTT1-1)の高い発現が認められた。また胆管癌細胞のDNA解析では極めて激しいDNA損傷が認められた。厚生労働省の検討会報告書では、「1,2-ジクロロプロパンまたはジクロロメタンに長期間、高濃度曝露することにより発症し得ると医学的に推定できる」とし、胆管上皮細胞で活性の高い中間代謝物が作用している可能性が考えられている。全国健康保険協会のレセプトデータからの解析では印刷業本人男性で30~49歳の年齢階級で胆管癌患者数は10人で、期待値5.62人と比較して、標準化有病率比とその95%信頼区間は1.78(0.63-5.00)であり、印刷業での広がりは限定されたものと考えられる。今後、健康管理手帳による健診が円滑に進められることが望まれる。
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